top of page
執筆者の写真お膝送り店屋

江戸の商業宣伝 【広告・ポスター・パッケージ・コピーライティング・インフルエンサー・看板・ノベルティー・コラボレーション】

 江戸時代には庶民の購買力が高まり、さまざまな商品が出回るようになり、それにともない商業宣伝の手段も発達した。

 宣伝に配る一枚刷を<引札(ひきふだ)>と呼んだ。引札にはその店の手作りのものから、当代一流の戯作者(げさくしゃ)が広告文を書いたものまである。山東京伝(さんとうきょうでん)は紅問屋(べにといや)の玉屋、柳亭種彦(りゅうていたねひこ)は浅草海苔(のり)店の引札をつくっている。また山東京伝や式亭三馬(しきていさんば)は、自分の戯作本のなかに載せている。引札が配る広告であるのに対し、今日のポスターのように貼る広告を<絵ビラ>といい、湯屋(ゆや)や髪結床(かみゆいどこ)に貼られた。包装紙にも商標や屋号だけでなく広告文を載せたり、薬ならば効能書を記したりしたものがある。歌舞伎の人気役者が舞台上で商品の口上(こうじょう)を述べたこともあった。

 商業宣伝の方法としては、ほかに看板・暖簾(のれん)・印半纏(しるしはんてん)や、店名入りの貸傘(かしかさ)・提灯(ちょうちん)・大風呂敷(ふろしき)・配り手拭(てぬぐい)などがあげられる。また錦絵に店舗を描かせたり、番付(ばんづけ)に店名を記載したりするのも一種の宣伝といえる。

関連記事

すべて表示

江戸の村と島の生活 【特産品】

村から年貢を取り立てることを財政の基盤としてきた幕府や大名などは、積極的に灌漑用水(かんがい)や河川流路、新田(しんでん)の開発をすすめて生産量の増加をはかった。きめられた年貢を納入したあとの余剰作物を自家消費にとどめていた村では、年貢の一部が金納で認められるようになると、...

江戸の玄関

江戸から第1番目の宿屋である品川宿(しゅく)(東海道)、千住宿(日光道中・奥州道中)、板橋宿(中山道)、内藤新宿(しんじゅく)(甲州道中)は、江戸の玄関口であった。これらの宿は<江戸四宿(ししゅく)>と称され、しだいに行楽や遊興の地としても知られるようになった。...

江戸との舟運

江戸と関東一円を結ぶ交通手段には、人馬を使った陸上輸送のほか舟運が重要な役割を果たした。 銚子から出た船は利根川をさかのぼり、関宿から江戸川を下り、小名木川(おなぎがわ)を経て、江戸に到達した。江戸には穀物や木綿、さらに酒・醤油・味醂(みりん)などの醸造品を運び、帰りは日常...

Comentários


bottom of page