いらっしゃいませ!ただいま開店準備中のお膝送り店屋を覗いて頂きありがとうございます。
本日は、江戸時代から続く水戸の職人さんにお会いしに行ってきました。
日本には伝統工芸品に指定されていない工芸品が数多く存在しています。
その中でも特に、残っている歴史の資料が少ないと言われている「水戸黒」(-みとぐろ)。
実際に職人さんに会いに、現代どのような形として残っているのか、また水戸黒とはどのような工芸品なのか体験してきました。
藍染めを応用
とても簡単にお伝えすると、「水戸黒」はひき染めといって、藍をハケで何度も何度も重ね、青から黒の色に変化しながら染めていく技法です。染めの液に浸けて比較的均一に染めるどぶ染めと違い、職人の手によって均等でない美しさが作られていきます。
ひき染めをし、乾かして、洗って、という作業を5〜6回程繰り返すその手間は、水戸黒の特徴とも言えるでしょう。それだけ手をかけた色の味わい深さは、インディゴ染めとも違った「日本の美」を感じることができます。
日本人って、やっぱりすごいですよね。
日本人の美に対する精神と工夫が感じられました。
この水戸黒の染色技法は江戸時代からあったそうで、一度途絶えてしまった過去があるそう。
また復活し、伝統を継承されている大谷屋染工場の5代目を努める大川哲さん。
茨城県の日立の山でヤシャブシの実を拾って集めるところから染めを行い、その土地のものを使いその土地で販売する地産地消を体現し水戸の文化を継いでいます。
水戸黒が歴史的に資料が少なかったり、地場産業として広がらなかったのには理由があり、昔から一軒の染物屋しか降ろせない決まりがあるそう。
一軒しかできないのであれば代々継ぐことも、多くの人に届け、人々の生活に根付くことも難しい。もちろん生活に根付かなければ伝統工芸品に認定されることも遠ざかってしまいます。
ですが江戸から続く、この伝統の染め技法で水戸黒は静かに美しい色を放って今もなお継がれています。
歴史がありながらもまだ知られていない水戸黒、お膝送り店屋としても何か形にして世に出せれば、と目論んでいます。
お膝送り店屋にお越しいただきありがとうございました。
準備中でもご遠慮なく遊びにいらしてくださいね!
またのお越しをお待ちしております。
Comments